魔王に見初められて…
魔王の嫉妬
「よし!できた!」
なんとか克樹が帰ってくる前に、作り終えることができた結愛。
スマホを確認するが、まだ連絡はないようだ、

「早く…帰ってきて……」
スマホを握り締めて、ソファーに座る。
~~~~!
すると突然、着信音が鳴った。

「うわっ!びっくりしたぁ。
ん?華乃?
━━━━━もしもし、華乃?」
『結愛~ごめんね、急に』
「ううん。どうしたの?」
『今、外でばったり拓史に会ったの!結愛と話したいって言ってて、今代わっていい?
勝手に番号教えるわけにはいかないし……』
「うん、いいよ」
『じゃあ…少し代わるね!
…………もしもし、結愛?』
「拓史くん?久しぶりだね」
『おぅ。元気か?』
「うん、拓史くんは?」
『俺は、元気ねぇよ…』
「え?」
『結愛が他の男のモノになってるなんて……ショックで……』
「え……?」
『なんてな…!フフ…』
「あーからかったぁ!酷い…」
『フフ…わりぃ。でも相変わらずだなぁ…結愛』
「もう…拓史くんも、相変わらず意地悪……」
『今度、みんなで会わない?いつものグループで会いてぇなって、華乃とも話してて……』
「うん。そうだね!
久しぶりだし、私も会いた━━━━━」
話の途中で、急にスマホを取り上げられた。

「結愛、ただいま」
「あ、克樹。
おかえりなさい!
あの、スマホ……」
「うん、返すけど…すぐに切ってね!」
そう言って、ニコッと笑いスマホを渡された。


その怖いくらいの黒い笑顔に、結愛はこの時初めて克樹に恐ろしさを感じていた。
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