魔王に見初められて…
魔王は不機嫌
それからは楽しい飲み会だった。
その飲み会の途中。

「みんな、なんで私を誘ってくんなかったの!?」
樹理が現れた。

「ゲッ…樹理…」
「マジかよ…誰が呼んだんだよ……」
「誰も知らせるわけないでしょ…?」
みんなが口々に言っている。

樹理は高飛車な女で、気に入らない相手には嫌がらせをしたり、虐めたりしていた。
特に、控え目で引っ込み思案の結愛には特に辛く当たっていた。
結愛は小柄で可愛らしい女なので、みんなの注目を集める事が多く、引っ込み思案な性格な為結愛は口答えしない。
その為、イジメは加速していったのだ。

「あ…」
無意識に身体が震える、結愛。
「結愛、大丈夫?」
「結愛?」
華乃と拓史が心配して顔を覗き込む。

「ご、ごめん。私…帰るね……」
「結愛…」
結愛はみんなに断りを入れ、居酒屋を出た。
そして、克樹に電話をかける。

『結愛?』
「あ…克樹…?今、仕事中?」
『うん』
「そっか…じゃあ、いいや!」
『何?どうした?』
「ううん、もう帰ろうと思って……もし克樹が仕事中じゃなかったら、迎えに来てほしいなって…」
『わかった!すぐ行く』
「え?でも、仕事中━━━━」
『一人で帰すわけないでしょ?
そこで、待ってて!すぐ行くから、動くなよ!』

数分後、克樹が駆けつけてくれた。
克樹の姿をみた結愛は、無意識に抱きついていた。
そして顔を克樹の胸に埋めた。
「どうした?まさか…元彼に何かされたの?」

頭を振る、結愛。
「克樹に…会いたくて……」

「━━━━━━何それ…」
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