魔王に見初められて…
克樹の腕枕で、頬を擦り寄せる結愛。
「克樹」
「ん?」
「克樹は、私のどこが好き?」
「全部」
「え?」
「大きな目、小さいけど柔らかい口唇、照れると赤くなる頬、穏やかな優しい声、真っ白な肌…………」
「ちょっと、待って!!」
「何?まだまだあるんだから、聞いてよ!」
「は、恥ずかしいよ……」
克樹の胸に顔を埋める、結愛。

「ほら…そうゆう、純粋なとこも大好きだよ!
それになにより、こんな俺を受け入れてくれたことが、一番好きなとこかな…?」
「克樹は…素敵だよ?
カッコいいし、強いし、頭もよくて、優しいくて、私をまっすぐ見てくれる」
「じゃあ…お互い大好きだ!」
「フフ…そうだね…!」

そのまま安心したように眠ってしまった、結愛。
その結愛の寝顔を優しい表情で見守りながら、頭を撫でる克樹。
穏やかな時間が流れていた。

~~~♪♪
結愛のスマホの着信音が鳴る。

克樹が確認すると“樹理”の文字。
何の躊躇もなく、電話に出る。

「何だ?」

『え?結愛じゃないの?』
「結愛のスマホだけど、お前…何?」
『あなた、誰?』
「恋人」
『あ、彼氏さん?初めましてぇ、樹理って言います!』
「…キモッ……」
『え?』
「で?何の用?」
『あ、結愛に彼氏さんの友達を紹介してもらう約束してて……そのことで、連絡したんです。
お願いできませんかぁ?』
「………」
『あの…彼氏さん?』
「どんな男でもいいの?」
『え?えぇ…』

「だったら、スゲー奴紹介してあげるよ━━━━━━」
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