魔王に見初められて…
「そうゆうとこも、好き!」
「え?す、好き!?」
「うん、だからつき合って!」
「はい…」
「ほんと…!?」
「はい…私みたいなのでよければ……」

そして家まで送ると聞かない克樹におされ、送ってもらった結愛。
「あの、か、克樹、ありがとうございました。
送ってくれて…」
「ねぇ、結愛って歳いくつ?」
「え?30歳です」
「マジで!?俺、28」
「えー?年下なんですか?」
見た目がかなり大人っぽく、年上だと思っていた結愛。
「だったら、余計にくん付けなしね!あと敬語も!」
「わかりまし…わかった…!」

「あと、言っとくね!
俺さぁ…学生の時暴走族の総長してて、狙ったもんは全部手に入れてきたし、一度手に入れたもんは絶対に手放さないんだ。
だから………
俺から放れらんないよ!結愛」
克樹の有無を言わせない不思議な雰囲気に、囚われていく結愛だった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次の日。
仕事終わりに帰り支度していた、結愛。
「結愛~、凄いカッコいい人がエントランスにいるみたいよ!見に行かない?」
友人の鹿野 華乃に声をかけられる。
華乃は高校生の時からの親友で、引っ込み思案の結愛をよく気にかけてくれ、仲良くしてくれている。

「え?うん」
「興味ない…?」
「いや、そうゆうわけじゃ…」
「あー!わかった!」
「え?」
「彼氏ができたからだ!」
「うん、まぁ……」
「まぁ、そうだよね。
でも見てみるだけいかない?」
「うん」

エントランスに出ると、彼がいた。
「え?」
「結愛」
「克、樹く…どうして、ここが…?」
「あー、くん付けなしっつったでしょ?」
「うん…克樹、どうしたの?」
「迎えに来た。デートしよ?」
そう言って、結愛を抱き締めた克樹だった。
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