狂ったのは?
「こんにちは、栄子さん。待っていましたよ」
「こんにちは、ハヤテさん。そんなに桜の木を見てどうしたんですか?」
「実は桜が少し元気がないように見えまして、もしかしたら土壌が合わないのかもしれません」
「そうなんですか? 私には綺麗に咲いていると思いますけど……」

 私は手頃の枝に咲く小さな桜の花を見ながら首を傾げる。

「こう見えても、桜に関してはプロなんですよ。この桜には今度向こうの桜の土壌を混ぜてみましょう。もしかしたら、良くなるかもしれません」
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