思い出の音。
私は高校2年生に、祐太たちは高校3年生に。
「祐太、ここわかんないよ~」
「どれどれ、見せてみな」
春休みは、祐太と2人でファミレスで勉強会。
勉強が得意ではない私に、祐太は教えてくれると言ってくれて、勉強会を開いた。
祐太は優しい。
こうして勉強を教えてくれるし、バンド練習の帰りは必ず家の近くまで送ってくれる。
だから……
いつの間にか、私は祐太を好きになっていた。
でも、告白なんてできるわけなかった。
バンド内で恋愛なんて、絶対よくない。
告白してフラれたら……最悪の場合、気まずくてバンドを続けることができなくなるかもしれないんだから。
そんなのは絶対に嫌だ。
私はこのバンドが大好きで、これからもバンドを続けたい。
祐太の作った曲を歌いたい。
だから、この気持ちは伝えずに封印することに決めた。
そう決めたのに……。
彼との距離が縮まるたびに、ドキドキがとまらない。