むすんで、ひらいて、恋をして
「制服汚れるぞ」



「莉生が洗ってくれるんでしょ?」



「誰が洗うか。自分で洗え」



「ちぇっ」



となりに転がったアリスが、空を仰いで目を細める。



その横顔に、ばくんと心臓が鳴る。


 
透けるように白い肌に、とび色の瞳、色素のうすい茶色の髪。



目がぱちっと大きくて、人形みたいに整った横顔。




それなのに、品なくゲラゲラ笑って罵詈雑言。




かと思うと、子どもみたいに無邪気な笑顔をみせて、ときおり傷ついた顔をする。



 
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