むすんで、ひらいて、恋をして
「どうして、そう思ったの?」



穏やかにお母さんが私を見る。



「……最初は、私たちに気を遣ってラブラブな感じを出さないようにしてくれてるのかなって、思ってた。だから、新婚旅行も提案したし。


でも、お母さんたち、全然のり気じゃなくて。むしろ『ふたりで旅行は気まずいのかな』って思ったの」



「そう」




お母さんもお父さんも、穏やかな笑顔を浮かべたまま。




莉生だけが、目をパチパチさせている。



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