むすんで、ひらいて、恋をして
「それから半年もたたないうちに、七恵が亡くなって。七恵から遺品整理を頼まれていて、その時にこの家に一度来たの。


もう、博さん、ボロボロだった。正直、これじゃ莉生くんも大変だろうなって思った」



莉生は、ぎゅっと唇をかみしめて、一点を見つめている。



「そのときにね、気づいたの。あー、七恵は全部わかってたんだなーって。


莉生くんのお父さんが七恵の死を受け入れられずに、生きていく力を失ってしまうことも、そのことで莉生くんが取り残されてしまうことも」




「あの頃の僕は本当にひどくてね。……莉生には申し訳なかったと思ってるよ」




ゆっくりと顔を上げた莉生のお父さんの瞳が、涙で濡れる。



「そうね、ほとんど食べられてなかったし。ゴミ屋敷みたいになってたし。学校通いながら、莉生くんが必死に家のことをこなしてて……」




「お母さんは、そのころからここに来てたの?」



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