7歳の侯爵夫人
ルーデル公爵家に足を運ぶ一方、俺は水面下で義母との絶縁を模索していた。

事故前に、俺がコンスタンスを迎えにヒース侯爵領へ行っている間、たしかに義母は邸を出て別邸に移ったはずだった。
だが、事故後、俺がルーデル公爵家に足繁く通っている間、義母は何度も本邸に出入りしていたらしい。
完全に縁を切らない限り、彼女はこれからも我が物顔でヒース侯爵家を引っ掻き回すに違いない。

俺はルーデル公爵家にやっと許しをもらってコンスタンスをヒース領に伴う前日、絶縁状を持って義母カレンを訪ねた。
俺とは赤の他人であり、この先未来永劫、ヒース侯爵家とカレンは一切関わりが無いという絶縁状を。

カレンは怒り狂ったが、何を叫んでもそれが覆ることはない。
だいたい、カレンは義父の後妻に過ぎず、元々ヒース侯爵家とは何も関係はないはず。
しかもその絶縁状には、ルーデル公爵家当主、そして、王太子のサインまであったからだ。
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