7歳の侯爵夫人

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数日前、領内の商いを取り仕切る商工会の会長から、領主夫妻を自宅の晩餐に招待したいと打診された。
マテオやセイは子供のようなコンスタンスを伴うことに不安を口にしたが、オレリアンは迷わず快諾した。

コンスタンスは長年の教育が身についているせいか、立ち居振る舞いやマナーは完璧だ。
誰にでも笑顔で接し、慈愛に溢れ気品もある。
だから、侯爵夫人として何一つ恥ずかしいことは無いと。
コニーは自慢の妻なのだから、と。

そうして夫婦で招かれた晩餐で、コンスタンスは夫の隣で微笑み、夫の期待によく応えた。
料理も美味しかったし、コンスタンスは妻として招かれたことに満足し、オレリアンもまた自慢の妻を披露出来て満足していた…はずだったのだが。
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