7歳の侯爵夫人
「…コニー…」
オレリアンはコンスタンスの涙にものすごく弱い。

「ルーデル公爵邸はパレードの通過する通りに面していたはずだ。義父上に連絡を取ってみよう」
「いいの?」
「ああ。邸の中から見ると約束出来るならね。絶対通りに出てはいけないよ」
「オレール!大好き!」
コンスタンスはオレリアンに抱きついた。
オレリアンは妻の体を受け止め、そして優しく抱きしめた。

本当は元婚約者の成婚パレードなんて見せたくない。
コンスタンスの頭痛だって気になる。
だが、可愛い妻がこんなに見たいと言っているものを拒否し続けるのは、オレリアンには出来なかった。

おそらく、ルーデル公爵邸からパレードは見えるだろうし、自分がついていてやれない以上、彼女の実家に頼むのが一番良い方法だろう。
義父と義兄は当然当日は忙しいだろうが、義母に預ければ大丈夫だろう。

オレリアンはそっとため息をつくと、妻の柔らかい髪を優しく撫でた。
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