7歳の侯爵夫人
パレードを見ていたのはオレリアンの晴れ姿が見たかったからだ。
別に、フィリップが見たかったわけではない。
まぁ、『結婚おめでとう、良かったね』くらいの気持ちはあるけれど。

ただ、馬車に乗る王太子を見ていたら、なんだかモヤモヤしてムカムカしてきた。
頭も痛くなってきて、なんとなく、手も震えだした。

「奥様?」
コンスタンスの異変に気付いたリアが呼びかける。

「コニー?」
公爵夫人もコンスタンスの背中に触れようとする。

「あたま…、いたい…」
頭が割れるように痛い。
いつもの痛さより、ずっと痛い気がする。

「コニー⁇」
「い…った…っ」
コンスタンスが頭を押さえてしゃがみこんだ。

「コニー?!誰か!誰か、コニーが!」
部屋の外に控えていた騎士や、隣室に待機していた医者が駆け込んできて、コンスタンスの周りを囲んだ。

「私のベッドへ運んで!」
「そっと、そっとよ!」
「だい…、じょ…、ぶ…。すぐ、なおる…から…」

「ああ、コニー、コニー!話してはダメよ!コニー!」
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