7歳の侯爵夫人
コンスタンスは母のベッドに運ばれた。
痛みがだんだん引いてきたので、頭を押さえていた手を外す。
でも相当痛かったのか、額に手に、脂汗をかいていた。

「コニー、かわいそうに」
母が冷たくしたハンカチで汗を拭ってくれるのが気持ちよくて、コンスタンスは静かに目を閉じた。

「眠い…」
「少し眠りなさい」
「でも…、オレール…」
ここで眠ってしまったら、侯爵邸でオレリアンを出迎えてあげられない。

「オレリアンには今日はコニーを泊めると連絡しておくわ」
「でも…」
少し休んだら帰りたいと言いたかったが、言葉にならなかった。

オレリアンが帰って来たら、抱きついて迎えてあげたいのに。
「今日はすごくすごくカッコ良かった」って言ってあげたいのに。

あ、違う、今日もだわ…。
そう伝えたらきっとオレールは笑って、私をギュッとしてくれるー。
だから、帰らないと…。

でも。
コンスタンスはもう、眠くて目を開けることが出来なかった。
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