7歳の侯爵夫人

4

ルーデル公爵家からしばらく顔を出すのは遠慮して欲しいと言われてはいたが、オレリアンは毎日欠かさず公爵邸をたずねていた。

コンスタンスに会わせてくれと言うわけではない。
毎日ただ、使用人伝いに花を贈るのだ。


あれから、1ヶ月が過ぎた。

その間コンスタンスはフィリップとの婚約解消の事実を受け止めることに精一杯で、毎日変わる花の存在など目に入っていなかった。

目覚める前の夜、コンスタンスはたしかにフィリップと一緒に舞踏会に参加していた。
もうすぐ16歳になるコンスタンスに、フィリップは『一緒にお祝いしよう』『プレゼントは楽しみにしておいて』と悪戯っぽく囁いていた。
それなのにー。

もう、フィリップには会えない。
フィリップはすでに隣国の王女のものになってしまった。
その事実は彼女の心を抉り、どうしようもない哀しみに毎日泣き暮れた。
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