7歳の侯爵夫人
目覚めた日のことを思い出す。
あの日目覚めたコンスタンスの目に、一番最初に飛び込んできたのはオレリアンの顔だった。
彼は、「コニー」と、心配そうな、泣きそうな顔で自分の名を呼んでいた。
それなのに自分は、「触れるな」「名前を呼ぶな」と言ったのだ。
思えば、いくら記憶がなかったからと言って、なんて酷い態度をとっていたのだろうか。
そしてその後も、毎日通い続ける夫に会うこともなく放置した。
「私は、なんて酷いことを…」
コンスタンスは自分がどんなに酷いことをしていたのかようやく思い至った。
愕然とする主人を元気付けるかのように、リアが告げた。
「侯爵様はこちらには寄られませんが…、毎日、この前は通られるようです…」
「…どういうこと?」
花を贈ることはなくなったが、それでもオレリアンは毎日仕事帰りに公爵邸前を通るー。
それは、公爵家の門番が目撃し、報告していることである。
「そう…」
その夜、いつものように公爵家の前を通りがかったオレリアンは、門番に声をかけられた。
「お嬢様がお会いしたいと言っております」
と。
あの日目覚めたコンスタンスの目に、一番最初に飛び込んできたのはオレリアンの顔だった。
彼は、「コニー」と、心配そうな、泣きそうな顔で自分の名を呼んでいた。
それなのに自分は、「触れるな」「名前を呼ぶな」と言ったのだ。
思えば、いくら記憶がなかったからと言って、なんて酷い態度をとっていたのだろうか。
そしてその後も、毎日通い続ける夫に会うこともなく放置した。
「私は、なんて酷いことを…」
コンスタンスは自分がどんなに酷いことをしていたのかようやく思い至った。
愕然とする主人を元気付けるかのように、リアが告げた。
「侯爵様はこちらには寄られませんが…、毎日、この前は通られるようです…」
「…どういうこと?」
花を贈ることはなくなったが、それでもオレリアンは毎日仕事帰りに公爵邸前を通るー。
それは、公爵家の門番が目撃し、報告していることである。
「そう…」
その夜、いつものように公爵家の前を通りがかったオレリアンは、門番に声をかけられた。
「お嬢様がお会いしたいと言っております」
と。