7歳の侯爵夫人

8

食事を終えると庭を歩こうということになり、オレリアンは自然に手を差し伸べた。
その手に、コンスタンスも躊躇うことなく手を乗せる。

手を繋いで歩く2人の姿はとても優雅だが、その実、心の中はかなり舞い上がっている。
オレリアンは彼女の細く柔らかな手に触れ、再びこの手を握ることが出来る喜びを噛み締める。
そしてコンスタンスもまた、『私は貴女の騎士だ』と言い切った彼の力強い言葉に心を震わせ、その大きくあたたかな手に包まれる喜びを感じ始めていた。

穏やかな陽の光を浴び、オレリアンの金色の髪が輝く。
コンスタンスを見下ろすその蒼い瞳は慈愛に満ちている。

コンスタンスはあらためて、自分の夫が美しくて凛々しい男性であるだけではなく、心から自分を大切に想ってくれている、頼もしい夫であることを思い知った。
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