7歳の侯爵夫人
私がヒース領で暮らすようになって1年近く経った頃、突然オレリアン様が私を迎えにいらっしゃいました。
一緒に王都のお邸に帰ろうとおっしゃるのです。
ああ、なんて皮肉なことでしょう。
その言葉を、多分私は待っておりました。
少し前までの私なら、嬉々としてその言葉に頷いたことでしょう。
でも、私は知ってしまったのです。
先日、オレリアン様のお義母様からお手紙が届きました。
そこには、彼のかつての恋人からのお手紙が同封されていたのです。
ええ、あの、馬車が脱輪しているところをオレリアン様に助けていただいていたセリーヌ様です。
彼女からオレリアン様に宛てたお手紙は、引き裂かれた恋人たちの哀しみが切々と書かれておりました。
そうですよね。
オレリアン様と私の心が通い合う日など、永遠に訪れません。
私は二人を引き裂いた邪魔者でしかないのですから。
だから…、私に出来ることは、セリーヌ様にオレリアン様を返して差し上げることなのです。
それなのにオレリアン様は、離縁を申し出た私の言葉を頑なに拒みました。
何故でしょうか。
私さえいなければ、愛するセリーヌ様を助けてあげられると言うのに。
一緒に王都のお邸に帰ろうとおっしゃるのです。
ああ、なんて皮肉なことでしょう。
その言葉を、多分私は待っておりました。
少し前までの私なら、嬉々としてその言葉に頷いたことでしょう。
でも、私は知ってしまったのです。
先日、オレリアン様のお義母様からお手紙が届きました。
そこには、彼のかつての恋人からのお手紙が同封されていたのです。
ええ、あの、馬車が脱輪しているところをオレリアン様に助けていただいていたセリーヌ様です。
彼女からオレリアン様に宛てたお手紙は、引き裂かれた恋人たちの哀しみが切々と書かれておりました。
そうですよね。
オレリアン様と私の心が通い合う日など、永遠に訪れません。
私は二人を引き裂いた邪魔者でしかないのですから。
だから…、私に出来ることは、セリーヌ様にオレリアン様を返して差し上げることなのです。
それなのにオレリアン様は、離縁を申し出た私の言葉を頑なに拒みました。
何故でしょうか。
私さえいなければ、愛するセリーヌ様を助けてあげられると言うのに。