7歳の侯爵夫人
コンスタンスも、本当は目覚めた時からわかっていたのだ。
自分の心が誰を求めているかなんて。

「オレール、行かないで。ここにいて」
「コニー、俺はここにいるよ。どこへも行かない」

オレリアンは喜びに震えながら、妻の髪を撫でる。

「好き…、好き、好き。オレール、大好き」
妻の口から、夢のような言葉が零れ落ちる。

「好きなの、オレール。ごめんなさい、好きなの」

「俺は…、愛してる。愛しているんだ、コニー」

オレリアンはしばらく妻の体を抱きしめ続けた。
妻が泣き疲れて再び眠ってしまうまで。

扉の外では、公爵夫人とリアが聞き耳を立て、もらい泣きをしていた。
隣室の様子でコンスタンスが目覚めたことに気づいたが、ここは、2人きりにしてやろうと気をつかったのだ。

次にコンスタンスが目覚めた時は、両親と兄、リア、アンナ、そして愛おしい夫オレリアンが周りを囲んでいた。
その後夫婦が皆に祝福を受けたのは言うまでもない。
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