7歳の侯爵夫人
この2ヶ月、オレリアンは3日に一度は妻へのプレゼントを贈る。
そして、7日に一度は妻への面会を申し入れに公爵邸を訪れる。

いつだって門前払いされるのだが、ある日オレリアンは思い立って庭の方へまわり、そこで、愛犬と遊びまわる妻の姿を目にした。
素足で、草だらけになって、ケラケラと笑い声をあげて犬と戯れる妻の姿は、本当に幼い少女のようだ。
輝く笑顔が眩しい。

(彼女は、本当はあんな風に笑うんだな)

キャッキャとはしゃぎまわり、飛び跳ねる。
犬と絡み合って、芝生の上を転げ回る。

(次の贈りものは犬用の玩具にしよう)
そう呟くと、オレリアンは静かにその場を去った。
< 35 / 342 >

この作品をシェア

pagetop