7歳の侯爵夫人

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マテオに怒鳴られた俺は言葉を飲み込み、立ち上がった彼を見上げた。

「何故それをご自分の目で確かめようと思われないのですか⁈何故ご立派に侯爵夫人の務めを果たしている奥様を労い、お褒めになりはしないのですか⁈」
「…、マ、マテオ…?」

「何故一度も奥様に会いにいらっしゃらないのですか⁈何故いつまでも奥様をお迎えにいらっしゃらないのですか⁈何故早く大奥様を追い出されないのですか⁈」
「…それは…」

「奥様の贈り物はご覧になったのですか⁈何故たった一言でも礼状をお書きにならないのですか⁈人として、夫として、あなたは間違っている‼︎」

「ま…、待て、マテオ…」
マテオの剣幕に尻込みした俺は、謝ろうとして、一瞬「………ん?」と思わず首を傾げた。
マテオの言葉の中に、含みきれないワードがあったからだ。

「マテオ…、この前の手紙にもあったが、『奥様からの贈り物』とは一体何のことだ?」

「………は?」
マテオの顔がさらに憤怒の様相になる。
俺の問いは、マテオの怒りに余計に火をつけたようだ。

「この期に及んで、贈り物さえ知らないふりをされるのですか⁈」
「いやだから、本当に知らな…、」
「酷すぎます!!」

そう叫んだのは、今まで黙って成り行きを見守っていたセイだった。
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