保健室で、君と最後のキス
「や、八神くん、本当に大丈夫だよね?」
「…」
返事をせず、ただ前を向いている八神くん。
やっぱり、私犯罪に巻き込まれちゃうの!?
トンネルは長く、明かりがほとんど無い電車内は、私の恐怖心をどんどん高めていくばかりだった。
私はぎゅっと目を瞑り、下を向いて両手を握った。
と、その時だった。
「莉奈、顔あげてごらん」
八神くんが私の耳元で小さく囁いた。
なんだろう?
そう思い、固く瞑った目を開け前を向くと…
「…あれって!」
反対側の窓の向こうには、夕日に照らされた海がわずかに見えていた。
いつの間にかトンネルは抜けていたらしい。
『次はー … 駅です』
車内にアナウンスが響くと、それを聞いて 降りるよ と言い席を立つ八神くん。
「あ、待って、」
もしかして、デートの場所って海…?