保健室で、君と最後のキス
電車を降りて、歩いて3分ほど。
目の前には砂浜とオレンジ色に輝く海が一面に広がっていた。
「うわあ…綺麗…!」
海に来たのはかなり久しぶりで、感動を隠しきれなかった。
ずっと眺めていられる景色だなあ。
私がボーッと海を眺めていると、八神くんが視界に入り、こっち と手招きをした。
「ローファーと靴下脱いで来なよ」
既に砂浜の上を裸足で歩いている彼に指示された通りにし、片手で脱いだローファーと靴下を持つ。
砂浜に足を踏み込むと、ぬるい温度の砂が足の平全体を包んだ。
ちょうどいい温度でなんだか気持ちいい。
八神くんの後ろを追うように一歩一歩進んでいく。
と、波が届く距離のところまで辿り着いた。
海に濡れて湿った部分の砂浜は少しひんやりしていて、それもまた気持ちいい。
足に波が流れているのを感じながら、少しの間2人で海を眺めていた。
すると、八神くんは何かを確認するかのように突然辺りを見渡した。
そして、最後に私の方を向く。
「よし、莉奈叫べ」
「…え?」
叫べ…って、どういうこと?