保健室で、君と最後のキス




「あるでしょ、日々の鬱憤とか」




日々の鬱憤…っていうと、最近は日向のこととかかな。





いやでも冷静に考えて…



「叫ぶとか恥ずかしいよ!」





内容が内容だし、そもそも海で叫ぶ人なんている?




たしかにちょっとすっきりしそうだけど…。






私がうじうじしていると、八神くんは口を開いた。




「俺、前に立ち直れないほど嫌なことがあった時、なんとなくここに来たんだ」





海の方を真っ直ぐと見つめ、話を続ける。





「その時に、色んな感情剥き出しにして思ってること全部海に向かって叫んだ、多分30分くらい経ってたかな」




「叫び疲れて砂浜に寝転んだ時、どこか心が軽くなった気がしたんだよね。真っ青な空に雲が流れているのを見て、今こうして悩んでても時間は進んでるんだなって。だったらその分楽しんだ方いいじゃんって考えになった」





そう言って語る八神くんはとても優しい顔をしていた。




「だから莉奈もさ、嫌なこと全部ここに置いてきなよ」




ね?と私の目を見て軽く微笑む八神くん。






そうだったんだ…。





私の日向への気持ちを晴らそうと、敢えて海を選んでくれたんだ。





もしかして、根は優しい人なのかな?





きっとそう「そしたら保健室でぐっすり眠れるしね」




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