保健室で、君と最後のキス
八神くんはべーっと舌を出して悪戯そうな笑みを浮かべた。
なっ…人がせっかく心打たれてたのに…!
やっぱりこの人は…
私は今日あった八神くんへの色々な想いを含め、海に向かって精一杯叫んだ。
「八神くんの意地悪ー!」
「おっ、いい調子じゃん」
もっとやれーと隣で合いの手を入れる八神くん。
なんだ、一度叫ぶと大したことないかも。
八神くんの思惑に乗るみたいで嫌だけど、もうなんだっていいや。
私は思いっきり息を吸い、今まで出したことがないような声量を出した。
「日向のバカー!」
「なんで葵先輩と付き合っちゃったのー!?
ずっと一緒にいたのは私でしょー!?」
「一々思わせぶりな態度見せんなアホー!」
私は心に秘めていた想いを、周りなんて一切気にせず叫び続けた。
「なんで、なんで私じゃダメなのー!」
「なんで…」
次第に視界が霞んでゆく。
あーあ、今日何回泣けば気が済むんだろう、私。
けど、溢れてくるものは仕方がない。
私は涙が零れないよう上の方を向いて、最後に思いっきり叫んだ。
「大好きだったよ日向ぁー!」