保健室で、君と最後のキス
「…え?四つ葉?」
「うん、ほら」
そう言って差し出す八神くんの手の平を見ると、確かに4つのシーグラスが集まり、四つ葉のクローバーのような形になっていた。
「ほんとだ…」
偶然にも三角に近い形のシーグラスを集めていたらしい。
「嬉しいよ、ありがとう」
ラッキーなこと起こりそう と言いながら八神くんは大事そうにポケットから取り出したハンカチにそれを包んだ。
…結果オーライ?
八神くんの面白い視点のおかげで、なんとか喜んでもらえたみたい。
私はホッと胸をなでおろした。
「そういえば、今何時だ?」
あ、確かに。ここに来てから時間の存在を忘れていた。
私が時間を確認しようとスマホを取り出す前に、八神くんは既にスマホの画面を開いていた。
「何時だった?」
私がそう聞くと、八神くんからの返答はなかった。
あれ、聞こえなかったかな?
「八神くん?」
もう一度声をかけると、八神くんはハッとしたような顔で口を開いた。
「あ、莉奈ごめん、ちょっと電話」
そう言うと、私から少しだけ離れ、背を向け誰かと話し始めた。