保健室で、君と最後のキス
#3
二人の共通点
「はあ…」
あたたかな太陽が部屋を照らす中、対局して私はどんよりした気持ちでいた。
昨日、八神くんと別れてから最寄りの駅に降りた時に目撃してしまった。
眠い目をかっぴらき、二度見までしたけど絶対そうだった。
日向と葵先輩が手を繋いでお互い照れくさそうに歩く姿。
思い出すだけで、胸が痛くなる。
やっぱり葵先輩とデートしてたんだよね…。
分かってはいたけど、いざ目の前にしてしまうと堪えた。
って、早速朝からネガティブモードに入っちゃってるし…。
昨日、前を向いて頑張るって決めたばかりなのに。
これ以上考えを巡らすのはよそう。
そのためにも今日はいつもより早起きしたんだから。
今まで日向とずっと一緒に登校してたけど、今日からは控えようと思っている。
それは日向のため、ではなくどちらかというと私のため。
私が日向を忘れられないのは、この距離感にあるんだ。
日向の姿を少しでも視界に入れない努力をしないと。
「行ってきまーす」
リビングにいる家族に声をかけローファーを履く。
「どうしたの。いつもより三十分も早いし、日向くんまだじゃないの?」
母が不安げに聞いてきたけど、いいの!と声を張り玄関の扉を開けた。