秘密の一夜で、俺様御曹司の身ごもり妻になりました
「いや、今日は十二月二日だよ」
彼に真顔で否定されて、ハハッと笑ってみせた。
「またまたあ。私を騙そうとしてもそうはいきませんよ」
「総司は騙してはいない。これを見てみろ」
兄がスーツのジャケットのポケットからスマホを取り出して、カレンダーを見せる。
その表示は十二月二日となっていた。
「手の込んだ嘘はやめてよね。ふたりとも仕事あるんでしょう? 私はちょっと怪我をしたくらいで問題ないから、帰っていいよ」
兄がなにか細工でもしたのかと思って軽く流したら、神崎さんが「問題大ありだよ」と異議を唱えてナースコールのボタンを押した。
「すみません、神崎です。妻が目を覚ましました。至急来てください」
「ちょっ……神崎さん、妻って……なに言ってるんですか! 私、婚約者役は引き受けましたけど、神崎さんの奥さんになった覚えはないですよ」
神崎さんの発言にギョッとして抗議したら、彼は私の左手の薬指に目を向けた。
「俺と紗和は結婚している。その結婚指輪が証拠だ」
彼に真顔で否定されて、ハハッと笑ってみせた。
「またまたあ。私を騙そうとしてもそうはいきませんよ」
「総司は騙してはいない。これを見てみろ」
兄がスーツのジャケットのポケットからスマホを取り出して、カレンダーを見せる。
その表示は十二月二日となっていた。
「手の込んだ嘘はやめてよね。ふたりとも仕事あるんでしょう? 私はちょっと怪我をしたくらいで問題ないから、帰っていいよ」
兄がなにか細工でもしたのかと思って軽く流したら、神崎さんが「問題大ありだよ」と異議を唱えてナースコールのボタンを押した。
「すみません、神崎です。妻が目を覚ましました。至急来てください」
「ちょっ……神崎さん、妻って……なに言ってるんですか! 私、婚約者役は引き受けましたけど、神崎さんの奥さんになった覚えはないですよ」
神崎さんの発言にギョッとして抗議したら、彼は私の左手の薬指に目を向けた。
「俺と紗和は結婚している。その結婚指輪が証拠だ」