推しの子を産んだらドラマのヒロインみたいに溺愛されています(…が前途多難です)

 私には三歳になる男の子がいる。

名前は朝飛(あさひ)という。私に似ず、かしこくてとてもいい子だ。父親はいない。二十五歳の時にひとりで産んで育てている。

「朝飛は?」

「まだ寝てるよ。はいこれ。いつもありがとう」

 私はレジを開けて三千円を渡す。すると彼は「毎度どうも」と言って店を出ていった。きっと海へ行くのだろう。

夜中から漁に出て市場を手伝い、趣味のサーフィンをしてから眠るのが日課だと言っていたから。

 コウ君が帰ると私は二階へと上がり、まだ寝息を立てている小さな肩をゆすった。

「おはよ、朝飛。起きて」

 寝ぼけまなこの息子を抱き上げて布団から出すとパジャマを脱がせ服を着せる。本当は自分で着替えさせたりしてそれをじっくりと見守ってあげたいのだけれど、朝はどうしても時間がない。

店へ下り、朝飛をテーブル席に座らせるといそいでおにぎりを握りプレートにおかずをのせて目の前に置いた。 
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