政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
「あ、このチョコレート、その令嬢から頂きました。昨日フランスから帰国したらしくてお土産だそうです。どうぞ」

「ふぅーん」と、箱の中を覗いた梨花さんは指先で一粒摘まみ出し、しげしげと眺めた。

「これ、専務へのお土産なんじゃないの? 私たちが食べたら殺されない?」

 そう言いながらチョコレートを口に入れる。

「あー、梨花さんたら。そんなこと言ってもう食べちゃったじゃないですか」

 クスクスと笑い合った。

「彼女も専務と縁談があるそうよ」

「え? そうなんですか」

「会長が言っていたわ。佐山会長からそれとなく打診されてるんだって」

「へぇー」

「会長はアジアでホテルレジデンス事業を展開したいみたい。どこと手を組むか検討中らしいけど、佐山グループも候補にあがってるらしいわ。織田不動産の令嬢にライバル登場ね」

 専務に織田不動産の令嬢と縁談があると、梨花さんから聞いてから間もない。

 織田の令嬢に引き続き佐山グループの令嬢。専務をとりまく縁談相手は美人なだけじゃなく輝かしいバックボーンがある。
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