政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
会長室から戻った専務は、一旦専務室に入ると小さな紙袋を持っていた。
『うちの親父の迷惑料だと思って受け取ってほしい』
それはイヤリングだった。
以前もらったブレスレットやネックレスと対になったようなデザインのイヤリングは、鎖の先に小さな色とりどりの宝石をつけてキラキラと輝きながら揺れていた。
『君に似合うと思ってね』
そう言って微笑んだ優しすぎる専務も、罪だと思う。
好きだと告白した女性に、あれこれ素敵なプレゼントをしてはいけないと思いますよ、と心の中で言ってみる。
(私が誤解したら、どうするんですか? 専務)
責任をとれないのにそういう優しさは残酷でしかないですよ?
心では言えるけれど、口にする勇気はない。
勘違いさせて済まなかったとか。そんな言葉を聞きたくなくて、『ありがとうございます』と受け取った。
会長、私だって言われなくてもわかっているんです。