王子と姫の狂おしい愛
「そうですか?
よかった……僕も椿姫様の傍にいるのが、一番の幸せです。
あなたが幸せになって、笑ってくれたらそれで………」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そして、こちらは湯王邸。

「おはようございます、琥珀様」
「んぁ…朝か……」
スマホを確認する、琥珀。
今日は仕事が休みなこともあり、朝はゆっくりだ。
椿姫からのメールが入っていた。

「え?椿姫!?」
パッと華やかに微笑んで、操作する琥珀。
その琥珀の表情は、とても幸せそうだ。
でもすぐ、その表情が歪んだ。
「は━━━?何だよ…それ…」

【おはよう、琥珀。
今日、小夜達と久しぶりに会うことになったの。
終わったら、連絡するね!】

すぐに電話をかける、琥珀。
「あ、椿姫!?何だよ!あのメール」
『おはよう!琥珀。
……ってもう、お昼前ね。
今から一緒にランチするの。終わったら、会いに行くから待ってて』
「やだ!今から会いたい!
“束縛”するって言ったよな!?
どこにいるの?迎えに行く!
今日俺、休みなんだよ?一日中椿姫といたい!」
『小夜とは、久しぶりなの。お願い…琥珀』
「ダメ!!迎えに行って、無理やり連れて帰る!
どこにいる?」
『………言わない…』
「は?椿姫……何言って…んの?
俺のお願い聞いてくんないの?」
『琥珀のは、お願いじゃないでしょ?
命令してるじゃない!?』
「そうだよ……支配するっつたじゃん!」
『酷いよ!琥珀。
もう今、お店の前だから!じゃあね』
一方的に通話を切った、椿姫だった。
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