王子と姫の狂おしい愛
ツーツーツーと鳴るスマホを握り締めている、琥珀。
スマホが壊れてしまいそうな程の力だった。
「川下」
「はい、井高さん呼びますか?」
「よくわかってんじゃん!
椿姫の居場所…調べて俺を連れていけ!」
「かしこまりました」

そして井高がGPSで調べて、琥珀の元へ来る。
「居場所がわかりました。
しかし……」
「何だよ…!?」
「琥珀様は入られないかと……」
「は?」
「あ、ここって……女性限定のカフェショップですよね?カップルでなら入れるけど、男性だけでは拒否されるってショップなはず」
川下の言葉。

「だったら、川下が一緒に来ればいいだろ?」
「まぁ…それなら」
「はい!ご一緒します!」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「久しぶり、小夜!」
「椿姫~!久しぶり~嬉しい!やっと会えた」
「そうね。元気そうでよかった」
「うん、椿姫は?
王子とはどう?」
「椿姫、今婚約中なのよ!
でも、なかなか結婚しないけど、どうして?
なんかあるの?王子」
「んー琥珀じゃなくて、お母様がね……」
「あーおば様ね……」
「かなりの過保護だもんね…」
他の友人達と、楽しそうに話す椿姫。
その椿姫の笑顔を、微笑ましく見る、二階堂。

「椿姫様、僕は一度出てまたお迎えに参ります。
また連絡してください」
「そうね。わかった!ありがとう!」
「えー二階堂さんもいてくださいよ!
私達がいれば、二階堂さんもいれるんだし。
せっかくだから、お茶しましょ?」
< 35 / 46 >

この作品をシェア

pagetop