王子と姫の狂おしい愛
井高が用意した部屋に椿姫を連れて行った、琥珀。

「やっと…二人っきりになれた……」
椿姫を強く抱き締めた。
「うん…でも、琥珀…苦し…」
「うん…」
「もう少し…腕…緩めて…骨、折れそ……」
「もう少しだけ……お願い…」
椿姫はただ、抱きすくめられていた。

シャワーの音が響くバスルーム━━━━━━
ずっと琥珀にキス責めにあっている、椿姫。
琥珀のキスひとつひとつに、深く重い愛情があり、椿姫は立っているのがやっとだった。
必死に琥珀の腕にしがみついていた。

「や…そこは、やだ……」
「んー?ここ?気持ちい…?」
「違っ…キスマーク……隠せない…」
「隠さなくていいじゃん?
見せつけてやろうよ…!」

特に…アイツ(寛二)に………

「もう……立って…られない……」
膝がカクッと折り曲がった、椿姫。
琥珀が腰を支える。そして耳元で囁いた。
「だったら……ベット…行こうね…」
そのまま抱きかかえられ、ベットに連れていかれた。

ゆっくり下ろされ組み敷かれる。
「琥珀…」
「ん?」
「好き」
「うん…俺は愛してるよ……」
「好きなの…」
「うん…わかってるよ?
椿姫、どうしたの…?」
椿姫の様子に、琥珀は心配そうに頭を撫でた。

「私は琥珀が好きなの…だからね……」
「うん…何…?」
「そんな壊れそうな顔しないで?
大丈夫だから…私は琥珀の傍にいるよ」
椿姫が、琥珀の頬を撫でた。
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