王子と姫の狂おしい愛
「え?寛二くん?」
「ゲッ…寛二…帰ってきたのかよ……」
「もしかして…琥珀坊ちゃま?
大人になったなぁ」
「あ?うるせーよ!」
「ちょっ…琥珀!」
「フフ…そうゆうところなんだよ…?君が坊ちゃまなのは……!すぐムキになる。
でも、椿姫は益々…綺麗になった……」
椿姫に触れようとする、寛二。
琥珀がその手をすかさず掴み、握り潰すように力を入れた。

「俺の婚約者に触るな…」
「結婚…できるの…?」
「は?」
「まだ、お許し…出てないんでしょ?」
「あ?」

ここで琥珀の耳元に顔を寄せて━━━━━━
「彩姫子さんは、俺と結婚させたいみたいだし……」
そして琥珀に向き直り、
「早く、離して?
さすがに耐えれない。それにしても琥珀、力強いな!」
琥珀が離すと、手形がくっきりついていた。

「ちょっ…寛二くん、手が…!」
椿姫が優しく寛二の手を握り、さする。
「大丈夫だよ。僕が椿姫に触ろうとしたから、琥珀が怒ったんだよ。琥珀は椿姫の騎士みたいなもんだからね!昔から……」
「えぇ…そうね……」
「椿姫、行くよ!」
椿姫の手を掴み、引っ張るように連れていく琥珀だった。
挨拶を済ませた琥珀。ずっと椿姫の手を握ったままだ。
「井高、部屋用意して?」
「このホテルでよろしいのですか?
でも、琥珀様はこのホテルあまりお好きではないですよね…?前に従業員の態度が悪いっておっしゃって……」
「いいから!
早く、しろ!?」

「かしこまりました」

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