乙女ゲームに転生した華族令嬢は没落を回避し、サポートキャラを攻略したい!
週末は十六歳の誕生日パーティーだった。
親戚や友人が集まる中、楽しく歓談していた。そこへ顔を出したのは顔がほのかに赤くなった叔父だった。裕福な資産家に婿養子に入った叔父は苦労しているらしく、まだ若いのに頬がこけている。
「絃乃ちゃんもそろそろ花婿探しせんとなぁ」
「そう、ですね」
年齢を考えれば、婚約の話が出ても不思議ではない。級友の中には婚約者がいる者も少なくない。
だが、絃乃の家は華族。それなりの身分がある者でないと、婿にはできない。
このご時世、恋愛結婚なんて認められるはずがない。結婚ともなれば、家長の許しが必要となる。
「弟くんが生きていたらよかったのになぁ……と、口が滑ってしまったな。すまん、気を悪くしないでくれ」
「大丈夫ですわ、おじさま。弟が神隠しにあったのは六年前ですし、白椿家を継ぐのは私の未来の夫なのですから」
「そうかそうか。しっかり考えているようで安心したよ」
世話好きな親戚の叔父に勧められるまま、付き合いでワイングラスを一杯傾ける。
思えば、それは人生初めてのお酒で。自分がお酒に弱いのか強いのか、それすら知らなかった。
だから、くらりと襲っためまいが、お酒によるものなのかすら判断できるはずもなく。
(……あ……れ……?)
気づいたときには視界が暗転していた。
親戚や友人が集まる中、楽しく歓談していた。そこへ顔を出したのは顔がほのかに赤くなった叔父だった。裕福な資産家に婿養子に入った叔父は苦労しているらしく、まだ若いのに頬がこけている。
「絃乃ちゃんもそろそろ花婿探しせんとなぁ」
「そう、ですね」
年齢を考えれば、婚約の話が出ても不思議ではない。級友の中には婚約者がいる者も少なくない。
だが、絃乃の家は華族。それなりの身分がある者でないと、婿にはできない。
このご時世、恋愛結婚なんて認められるはずがない。結婚ともなれば、家長の許しが必要となる。
「弟くんが生きていたらよかったのになぁ……と、口が滑ってしまったな。すまん、気を悪くしないでくれ」
「大丈夫ですわ、おじさま。弟が神隠しにあったのは六年前ですし、白椿家を継ぐのは私の未来の夫なのですから」
「そうかそうか。しっかり考えているようで安心したよ」
世話好きな親戚の叔父に勧められるまま、付き合いでワイングラスを一杯傾ける。
思えば、それは人生初めてのお酒で。自分がお酒に弱いのか強いのか、それすら知らなかった。
だから、くらりと襲っためまいが、お酒によるものなのかすら判断できるはずもなく。
(……あ……れ……?)
気づいたときには視界が暗転していた。