桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
そんなこと出来るわけないのでは……? だって今日出掛ける事も、それに匡介さんがついて来ることも事前に決まっていた事ではない。それなのに彼は事前に鵜方先生に連絡をしていたなんて。
「ああ。鏡谷さんは僕のスケジュールを聞いて、最初からその近くに出掛けると言っていたからね。ふふ、随分過保護な旦那さんに捕まったみたいだねえ、君は」
鵜方先生はそうやって楽しそうに話すけれど、後ろにいる匡介さんの表情は怖くて見ることが出来ない。この事が本当なのか確かめたいけれど、流石に本人には聞けそうも無くて……
「鵜方先生、その時匡介さんはなんて……」
「それでどうなんですか、鵜方先生? 今の妻の状態は」
私がもう少しだけ鵜方先生に話を聞こうとするのを、黙って様子を見ていたはずの匡介さんが割り込んで止めた。まるで私達の会話を邪魔するみたいに……
「ああ、もう心配はなさそうだね。ただ少し寝不足と疲れがあるみたいだから、今日は早く帰ってゆっくり休ませてあげて?」
もう一度私の顔色を確認した鵜方先生は、立ち上がると肩をゴキゴキと鳴らして見せる。その優しい彼の容姿にはあまり似合わない音だけど。
「相変わらずすごい音がしますね? 父がマッサージチェアを鵜方先生に贈ったと言ってましたが、それは役に立ちませんでしたか?」