桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
何度一人で平気だと言っても、私の隣から全く離れてくれない匡介さん。彼が私の事を心配している事は知っていたが、これは流石に度が過ぎるのでは?
それともこれが普通の夫婦のあるべき形なのか、箱入りの自分には分からない。そんな事を考えているうちに、目の前に料理教室のビルが見えてきてしまって……
私はもう一度、匡介さんに少しっ強い口調で自分の思っている事を言ってみる。
「どうしていつもそんなに過保護なんですか! 私が行くのはただの料理教室なんですよ?」
こんな場所で大きな声を出しては周りの人からジロジロ見られることになる、それでも匡介さんは気にする様子もなく淡々と私の質問に答えてくる。
もちろんそれは私が望むような返事ではなくて……
「確かに俺は君が料理教室に行く事には許可を出したが、一人で通ってもいいとは言っていないはずだ」
この年齢でまさか習い事に夫がついて来るなんて思う訳がないでしょう? そう思っていたのなら最初から言ってくれれば、私だって申し込むのを止めたかもしれないのに。
紹介してくれた寧々の事を考えると、今更入会を取り消しますとは言えそうにない。
「そんなのはこじつけです! 匡介さんこそいつも深夜までやっている仕事はどうしたんですか?」
確か匡介さんは今日の仕事を終わらせてきたとは言っていたけれど、責任ある立場の彼が定時で帰って来ては周りの社員も困るのではないかしら?
そりゃあ、真面目なこの人がそんな無責任な事をするとも思えないけれど……