碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



続いて、もう1球。


バッターはバットを振らなかった。




1球目から、タイミングは完全に合っていない。

「‥よし。」



9回表は、いつも同級生が投げることになっている。


だから、これが最後だ。

いや、これで終わりにしよう。




大きく息を吐き出して、

「‥っ!!」



今日1番の球を投げた。



「‥ストラーイク!!
バッターアウト、チェンジ!!」



途端に集中が切れて、その時初めて、
自分が大量の汗をかいていることに気づいた。


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