碧天の下で、純白の球、夏に泣く。




「錦城。」

「はい!!」

本当は、俺だって勝ちたい。

この場にいる誰よりも
その想いが強いと大声で叫ぶことができるほど、
強いと思っている。



だけど、
そんな思いばかりではなくて。




「‥自分の全力だけを出せ。」

「‥‥えっ。」



‥案外、すんなりと言葉が出てきた。


「そんなこと言ってもら先輩は‥。」

「いいんだ、俺は。
俺は、『俺たちの力』で勝ちたいんだ。」




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