碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


一瞬、言葉に詰まった風早さんだけど、
何かを心に決めた様子で頷いた。


覚悟?
なんの?


「‥日向くん、今日部活が終わったら、
話したいことがあるの。」

「だから、いつものところに来て?」と言う。


「うん。いいけど‥。」


なんだろう、風早さんの様子が変だ。

膝の上で握った小さな手は細かに震えているし、
小さくて形の良い唇は、ギュッと噛まれている。







_________キーンコーンカーンコーン
      コーンカーンカーンコーン_________






それから俺たちは、
保健室を包んだ気まずさに負けて、
チャイムが鳴るまで何も話せなかった。


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