碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



「‥でもなんだろ、俺、
その約束気にしてなかった。」

「‥うん。」

「甲子園、行くのってほんとに大変だからさ。
気持ちの問題じゃないでしょ?
気持ちだけで、
行ける行けないが決まるわけじゃない。」

「うん。」

「実力で、這い上がったチームだけが行ける。」




確かに、
全国の高校球児の憧れだってよく聞く。


甲子園の直前とかに、
ニュースでよくやっているのは見たことある。



「もちろんずっと、
約束の前から夢は見てたんだけどね?」


「それでも‥。」と、
遠い目をする日向くん。

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