碧天の下で、純白の球、夏に泣く。

side 斗蒼



「日向くん!?日向くん!?」



うっすら‥ボンヤリ、
靄がかかった視界に、酷く強張った風早さん‥、
御白の顔が見えた。



「‥きゅ、救急車!」

スマホを取り出して、
慌てふためいて
救急車を呼ぼうとしている、のか?


「ちょ‥‥み‥は‥ゴホッゴホッ!」

「日向く「斗蒼!?」



あれ‥?

なんで保田が‥?



「保田くん!日向くんが!」


‥あ、御白、また泣いてる‥。


俺が泣かせた‥。

俺、が‥。


保田は俺を抱き起すと、
慣れた手つきで俺を触る。


「‥あ、これいつもの熱だ‥、大丈夫。」

「ふぇっ?」

「こいつ、泣いたら絶対熱出すんだよ。」

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