ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「へえ、今日は月菜さんと和喫茶でおしゃべりしてたのか。」
本当の夫婦になってからというもの、聖壱さんの帰りは随分早くなった。仕事を残して帰って来てるんじゃないかと次の日に会社で確認するけれど、しっかりと残さず終わらせている。
「香津美のサポートが良いから」なんて彼は言ってくれるけれど、やはりそれだけ聖壱さんが仕事の出来る男性だという事よね。
「ええ。昨日誰かさんに散々虐められたから、優しい月菜さんに慰めてもらっていたのよ。」
そう言ってからじろっと聖壱さんを上目遣いに睨んで見せる。まだ私は昨日の事を許してないわよ、という意思表示をしてるつもり。
だって昨夜あれだけの事をしたくせに、聖壱さんったら何もなかったかのように振舞うんだもの。
「へえ……嫉妬に狂った自分の夫に、何を使ってどんなお仕置きをされたのか。そんな話を、あの純情そうな月菜さんに?」
「い、言う訳ないでしょ!そんなこと。」
こっちが優位に立とうとすると、いつだってこうやって上手く返されてしまう。昨日の夜を思い出した恥ずかしさと、言い負けた悔しさで一気に顔が熱くなる。
ニヤニヤと笑う聖壱さんにソファーに置いてあった小さめのクッションを、彼の顔面めがけて投げつけた。