ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
最初はベタベタに甘やかし優しくしてくれていた聖壱さんだけれど、このごろは少し変わって来た。意地悪な事を言っては、私がどんな反応をするのかを楽しんでいるのよ。
今だってほら、私が真っ赤になって怒る様子を嬉しそうに見ているだけだもの。
いつもは揶揄う方の立場の私なのに、聖壱さんが相手だといつもうまく転がされてしまっているような気がする。でも、それだけ彼が私の事を理解してくれているって事なのかしら?
「言える訳ないよな。昨日の夜の香津美は、凄くやらしく可愛い言葉で俺を欲しがったんだから。」
昨夜の事を思い出して、ますます顔が熱くなっていくのを感じる。それはそうよ。ほぼ理性の無いような状態でも、自分が何を言ってしまったのかちゃんと覚えていたのだから。
「あれはっ!聖壱さんが無理矢理言わせたから、だから仕方なく……」
さんざん焦らされ啼かされて、最後はそう彼に強請るしかなかったの。そう言い聞かせて自分の言った恥ずかしい言葉の数々を無かった事にしたかった。
だけど自分の身体の熱がどうしようもなかったのも本当の事なので、最後まで文句を言う事も出来なかった。だって、最後は結局いつも以上に彼によってグズグズに溶かされてしまったのだもの。
「もしかして思い出してる?またやらしい顔になってるぞ?」
「もう、聖壱さんなんて知らない!」
まだ私を弄って遊ぼうとする聖壱さんをリビングに残して、夕飯の準備をするためにキッチンへと向かった。