ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「そういう意味じゃないに決まってるでしょ! それに昨日の事だってまだ許したわけじゃないんですからね」
遠慮なく私に迫ってこようとする聖壱さんを両手で思い切り押し返す。もちろん力で彼に勝てるわけない事は分かってるけれど、簡単に彼の思う通りにはなりたくないの。
それに聖壱さんに昨日好き放題されたせいで、私の身体だってまだあちこち痛むくらいなのだから。
「昨夜の事まだ怒っているのか? さっきは俺に愛されて嬉しいってメッセージを送っていたくせに」
確かにそう送ったけれど! 愛するって抱き合う事ばかりじゃない、そう聖壱さんが時間をかけて私に教えてくれたんじゃない。
本当は貴方だって分かってるくせに、そうやって意地悪な事ばかり言うのはどうして?
「……聖壱さんだって、まだ私が料理教室の先生を褒めた事を根に持っているんでしょう? 私の夫はもっと心の広い人だと思っていたのだけど、間違いだったのかしら?」
彼の力に押し負けながらも、まだ諦めたりはしないつもりよ。
昨日の夜、私は彼に悪戯されながらもちゃんと謝ったの。いい加減に機嫌を直して私を変に揶揄うのはやめて欲しいわ。
それにこういう彼のプライドを擽るような言い方をすれば、聖壱さんだってこれ以上は何も出来ないはず。
「……狡くないか、それ?」
「狡くないわ、聖壱さんが私にどう思われてもいいのならばこのまま続ければいいのよ」