ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~


 さあ、どうするの聖壱(せいいち)さん?「ふふん」と微笑んで見せれば、聖壱さんは大きくため息をついて頭を振った。この様子だと、どうやら諦めてくれたようね。

「悪かった。香津美(かつみ)からそう言われるのは困る、いい夫でありたいとは思ってるから……」

「知っているわ、だからこうして貴方の傍にいるのよ?」

 真剣に私の素敵な夫であろうとするのも、こんな時だけ可愛くなる聖壱さんの私にしか見せない顔も。ちゃんと分かっているから、昨日みたいなことがあっても許しちゃう。
 でもね……本気で嫌っても怒っても無いけれど、今日はゆっくりベッドで休みたいのよ!

「香津美……そう言われると余計に我慢するのが辛くなるんだが」

 真面目な顔でそう言われると困る、でも私はさっさと布団をかぶって聞かなかったことにする。
 明かりを消して隣にそっと入ってくる聖壱さん、そっと腕を伸ばして私の身体を引き寄せ抱きしめる。

「今日は、これだけだから」

 私の軽くウエーブのかかった髪にそっと口付けられている事が分かる。そのくすぐったさに身を竦めると、小さな笑い声が聞こえそっと頭を撫でられる。
 優しいその感触に昨日の疲れがまだとれてなかったのか、私はすぐに眠りの世界へと落ちて行った。




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