好きだよ。。。
駒沢大学の駅を出て、私の家に向かっていく。翔太君は、何故か無口だ。・・・でも、何か言いたげで。

家に向かう途中の小さな公園の近くで、思い切って聞いてみた。

「ねぇ、翔太君?どうしたの?」

「キス・・・」

「えっ?」

「つぐみちゃんがほっぺにキスくれたから、なんか、そのことばかり考えちゃって。おやすみのキス、したくなっちゃったけど、まさかつぐみちゃんの家の前でするわけには・・・いかないかな、って」

「・・・」

「ここで、してもいいかな」

どきんっ。確かに、頬にキスしたのは私だけど。あれは自然な成り行きで。こんなふうにまっすぐに聞かれてしまうと戸惑ってしまう。

「そんなこと聞かないでよ。・・・私、翔太君にハマりかけてるんだから」

「どっぷり、ハマっちゃってよ」

翔太君はそう言うと、私を引き寄せ、唇を重ねてきた。優しい、優しいキスだった。しばらく2人で抱き合っていたが、はっ、時間がないんだったと思い。

「翔太君、急がないと終電なくなる」

「あ、だった、だった。とりあえず、つぐみちゃんの家に急ごう」

翔太君は私の手を引いて、早足になった。そして、私の家に着くと。

「つぐみちゃん、明日も夕食一緒にできる?」

「大丈夫だけど・・・いいのかな、そんなに毎日逢って」

「えっ?」

「翔太君のことばかり考えるようになっちゃいそう」

いいのかな、そんなに急激に、好きになっちゃって。大丈夫なのかな。

「俺はもう、つぐみちゃんのことばかり、考えてるよ。早く俺に追いついて」

「私の、どこがいいの?」

「飾らないとこ、素直なとこ・・・可愛いとこ、全部!」

「私は、翔太君が思っているようなような人ではないかもしれないけど・・・私も・・・多分、翔太君のこと好きなんだ思う」

「多分・・・?多分、なのに、キスしちゃうの?」

翔太君が私の想いを見透かしたようにいたずらに笑う。

「・・・バカ。もう、ちゃんと、好き」

にやっ、と翔太君が笑って。

「合格。・・・と言うわけで、明日も一緒に夕食、な。おやすみ」

「おやすみなさい」

家の中に入っても、ドキドキが止まらなくて、両親にどういう顔で会ったらいいんだろう、って思った。
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