飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「契約結婚だから甘えてはいけないの? 誰が決めたの、そんな事。私と櫂さんも契約結婚だけど、お互いに甘えたい時はそうしているわ」
どうせ私と櫂さんが契約結婚という事は梓乃も知っているのだから、今さら気にする必要は無い。せっかくだから、私は家での櫂さんとの生活を梓乃に話して聞かせることにした。
その話を聞いてみるみる梓乃の顔が赤く染まっていく、もしかしたら自分と高宮さんに置き換えて想像でもしたのかもしれない。意外と初心な異母妹の反応に、つい顔が緩んでしまう。
「何を笑っているのよ、自分だってどうせ新河さんの言動に毎回あたふたしてるんでしょうに」
痛い所を突かれてしまった。梓乃の言う通り私も毎日、櫂さんの言葉や行動に一喜一憂してばかり。面白いくらいに彼に振り回されて胸がドキドキする生活を送っている。
それを異母妹に簡単に見破られてしまって、苦笑いするしかなくて。
「そうね、でも私はそれでもいいと思ってるの。たとえ契約という形の結婚だとしても、この時間を櫂さんと楽しく過ごせているのはきっと良い思い出になるでしょうから」
「姉さん、それって……」
私だってちゃんと覚悟はしてる、これは私と櫂さんの契約でいつかはいつかは彼との生活に終わりが来ることも。そして櫂さんが私に隠れて何かを進めている事も、全部分かってて。
だけど彼との毎日がとても幸せだと感じるから、今だけでもそれを全身で受け止めていたい。