飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「ですがっ、私たちは契約結婚で……!」
そう、櫂さんはあのお見合いの日に間違いなく【契約結婚】と言ったはず。それならば別に寝室を同じにする必要なんて無いんじゃないの?
今まで男性と同じ部屋で眠ったことなんてあるわけもなく、まして心の準備だってろくに出来ていないのに。
「確かに俺は千夏に契約結婚を望んだけど、それをお互い両親に話してるわけでもない。こんなことで変に疑われるよりも俺たちの夫婦関係は円満に見せておいた方がいい、千夏だってそう思うだろ?」
「それは、そうですけど……」
ただ一緒に眠るだけなら……でも櫂さんはそこについてははっきりと口に出して言ってくれないし。「はい」とも「いいえ」とも言えず、ただ戸惑ってベッドと櫂さんを交互に見ていると……
「……くくっ、はははは!」
さっきまで余裕の表情だった櫂さんが大きな声で笑いだして。驚いて彼を見上げると、楽しそうに笑う櫂さんからそのままぎゅっと抱きしめられてしまった。
「ちょっと、櫂さん! 待って、まだ……!」
心の準備やその他色々まだなんです、もう少し待ってください。そう言いかけたその時、耳元に櫂さんの吐息を感じた。
「千夏、もしかして期待してくれた……?」
櫂さんの甘く色気のある声で、そう囁かれて……